ご相談の多いお悩み
シワ

シワの美容外科的メスを用いない治療について

一口にシワと言っても実はできる原因により大きく2種類に分類できます。
ひとつは表情を作った時にできるシワ、これを表情ジワといいます。例えば眉をひそめたときにできる眉間のシワや笑ったときにできる眼尻のシワがこれにあたります。
もうひとつは、法令線のように重力によって恒常的にできるシワです。これを静的なシワとも言います。
もちろんこれらが形成される背景には、皮膚の弾力性の低下と、皮膚を支えている靭帯の脆弱化が存在します。ですからシワの治療は、基本的には皮膚の弾力性を取り戻すことが重要ですが、治療を希望されるシワがどのような原因によって起こっているかを正確に診断する必要があります。

例えば、表情ジワは筋肉の力を弱めるBOTOXなどが有効ですが、逆に皮膚を引き上げることによって改善する法令線などには使えません。ここでシワできるメカニズムがいかに複雑かを示す良い例をお話しましょう。
「この頃、おでこのシワが目立つようになってきた。」という話は良く聞きますが、ほとんどの患者さんはおでこの皮膚に原因があると考えていらっしゃいます。
しかし、その中の多くの患者さんは瞼に原因があります。すなわち年齢とともに瞼の皮膚が弛んだり、目を開く眼瞼挙筋という筋肉の力が低下することにより、眉を上げる筋肉である前頭筋という筋肉を使って、目を開こうとしているのです。そのためにおでこに横ジワが発生します。
これを安易にBOTOX注射で改善させようとすると、「瞼が重たくなって、目が開きにくい」状態になることがあります。この場合の根本的な対策は、瞼のシワ取りということになります。今お話ししたように、シワの原因は様々です。
経験豊かな医師が手術療法、非手術療法の両方に対応できることが大切になります。

青山研美会クリニックの治療

ボトックス注射

Botox ボトックスは米国アラガン社が製造するボツリヌストキシンA(ボツリヌス菌が産生するタンパク質の一種)です。
神経筋接合部(神経の末端と筋肉が接触する部分)からは神経の末端からアセチルコリンという伝達物質が遊離して筋肉の収縮を促しますが、ボトックスはこれを抑制し筋肉の収縮を制限する薬剤です。類似品は、様々な国で製造されていますが、当院では、厚労省が認可する唯一のアラガン社製を使用しています。
ボトックスは、眉間、目尻、前額などの筋肉の収縮によっておこるシワに極めて有効ですが、使い方や量を間違えると、目が重たくなったり表情が硬くなったりします。
初めてチャレンジする方は、はじめ少数ポイントから注入し、1週間後くらいに足りなければ追加注入してもらうと安全に施術できます。眉間の恒久シワ(表情を作らずとも残っているシワ)は、溝の直下のコラーゲンが変質しているためボトックスのみでは改善が難しいので、当院ではPRPを併用して改善させていきます。


PRP療法

PRP(platelet rich plasma)の略で、日本語では多血小板含有血漿といいます。その名の通り、血小板を多く含む血漿(血液から白血球と赤血球を除去しています)です。
この血小板の中には成長因子と呼ばれる、細胞の分列や増殖を促す成分が多く含まれています。けがをした時には欠損した組織の修復を行う重要な成分です。
どんなものが含まれているかは下図をご覧ください。

PRP は自分の血液から採りますので他の薬剤にアレルギーのある方でも使用することができます。再生医療ですので効果が出るまで少なくとも一月位必要ですが、自然な仕上がりを得ることができ、首周囲や目尻にも安全に使用することができます。また、先ほどご説明させていただきましたように、組織そのものの修復が可能ですので、眉間にできた縦ジワも浅くすることが可能です。
ただし、血液中に含まれている血小板の数や、成長因子の活性は個人差や年齢差がありますので、誰でも同じ効果が得られるわけではありません。
そこで、考え出されたのはご自分のPRPに成長因子の一種で、コラーゲン、ヒアルロン酸、皮下の脂肪組織の増殖効果の認められている合成されたFGFを微量添加する方法です。この方法はとても有効ですが、経験が豊かで知識のしっかりした医師のもとで行うことが重要です。
まず、普通のPRPを試すことをお勧めいたします。
PRPによる治療は厚生労働省が定める第三種再生医療にあたり、厚生労働省による認可施設のみで行うことが可能です。当院は認可施設ですので、安心してご相談ください。


ヒアルロン酸注入

ヒアルロン酸は皮膚の真皮内に存在する基質(コラーゲンやエラスチンといった線維成分の間を埋めるゼリー状の物質)で、皮膚の潤いを保つには欠かせない成分応じた粘性や硬さのものが作られています。例えば皮膚の薄い瞼に皮内にはさらっとして柔らかいもの、法令線やコメカミの陥凹、頬の頬溝(俗にゴルゴラインと呼ばれる頬に入る斜めの凹み)などは注入層が深いのでは粘性の高いものが使用されます。
したがって、ヒアルロン酸でお顔のシワやたるみを治すには、注入する部位や層によって適切なヒアルロン酸の製剤が異なりますので、注意が必要です。
 最近ではヒアルロン酸の注入法が変化して、症状や目的によって製剤を変えるだけでなく、注入法や注入層が細かく分類されるようになってきました。
注入ポイントや注入法はDr.Mauricio de Maio先生が提唱する「MD-Codes™」法とガルデルマ社が提唱する[TrueLift®]法が有名です。当院では「MD-Codes™」を使った治療を中心に行っています。ヒアルロン酸注入はシワに対してだけでなく、タルミに対しても大変有効な治療ですので、それについてはタルミの治療で説明させていただきます。
また、効果の持続は製剤の種類、注入量、注入部位によって異なりますので一概に論じることはできません。注入前に主治医とじっくり話し合ってください。


ニードルセラピー

針を使って皮膚に細かな穴をあけて、コラーゲンの再生や、新生を促す治療を大きくまとめてニードルセラピーといいます。以前は針のついたローラーを皮膚の上でこするというやや怖い治療のイメージでしたが、最近では様々な機器が開発され安全に治療できるようになっています。レーザーを使ったダーマペンやフラクショナルレーザーもニードルセラピーと同じ理論で開発されたものです。
当院では皮膚の表面に高周波を流す高周波治療の他に細かに針を挿入した後に高周波を流すFRMという治療を取り入れています。フラクショナルレーザーと異なり細かな穴が残らないので、翌日からお化粧が可能です。
FRM治療は、凹凸のある皮膚や、ニキビ肌の改善にもう効果があり、肌の状態によってチョイスすることができます。


当院で行っているメスを使わない皺の治療について簡単に説明させていただきました。起こりうる副反応や、注意点については治療メニューに詳しく書いてありますので、ご一読ください。